概要
視点を換えた戦略作りとは、事業を取り巻く外部環境の変化や自分たちの強み・弱みを評価・分析することで、思い込みに気づいたり、今まで見えていなかったところが見えたり、改めて自分たちの強みを発見したりすることで、新しい機会を見出すことです。
問題解決事例3−1:攻めの営業『施設外就労・外勤請負作業』
背景と課題
よつば工房(就労継続支援B型事業所 利用者数:20人 平成24年度工賃向上ワークショップ参加)は、内勤・外勤の請負作業を中心とした生産活動で年間売上約220万円、月額平均工賃約8,000円であった。
工賃向上のためには景気の影響を受けにくい自主生産事業の開発をしながら、現請負事業で売り上げ・利益を上げるための対策が必要だった。
内勤作業を利益率の高いものを優先させる他、施設外就労を含む外勤作業を増やす対策をとった。そのためには「受け身の姿勢」ではなく、「攻めの営業」が求められた。
外勤作業獲得に向けた攻めの営業対策
資源棚卸・強みの確認
長年発注をいただいている取引先がある。安心できる質の高い作業と評価をいただいている。
この点を当事業所の請負サービスの強みと再確認。
さらなる品質向上に努め、セールスアピールとする。
近隣に物流倉庫が多数あり、以前にも倉庫内での作業経験があった。
作業単価設定
工賃向上に必要な作業単価を設定し、上記セールスアピールとともに交渉を行った。
営業ツールの作成と活用(含発注促進税制)
取引先メリットとなる情報を入れたパンフレットを使用した。
近隣工業地域への営業活動
事業所が工業地域に近接しているため、上記パンフレットを持って、営業活動行い、企業担当者と積極的に話し合いの場を持った。
作業マニュアルの作成と研修
新規作業請け負いには、作業の職員研修期間を設け、現場スタッフとの振り返り、利用者ミーティングを行いながら、マニュアルを作成した。
ボランティアスタッフの確保・育成
外勤希望利用者のシフト表作成
外勤希望表を使い、利用者が公平に参加できるようにシフト表を毎月作成した。
利用者主体のミーティング開催
売上実績
施設外就労・外勤請負作業の売り上げ推移
平成24年度 | 3,489,165円 |
平成25年度 | 4,555,020円 |
平成26年度 | 5,984,565円 |
平成27年度 | 7,444,488円 |
視点の切り換えポイント
- 取引先メリットを考慮した営業活動
- 設定の根拠と姿勢を示しながらの価格交渉